白鳥の特徴・種類・違い(見分け方)と飛来条件
白鳥とは
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白鳥の種類と特徴
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世界には、白鳥属(Cygnus)の白鳥としてコブハクチョウ、コクチョウ、クロエリハクチョウ、オオハクチョウ、ナキハクチョウ、コハクチョウの6種類がいます。日本で越冬する白鳥は、オオハクチョウ、コハクチョウの2種類で、移入された外来種のコブハクチョウやコクチョウは、一部地域の自然環境で繁殖し、国内間(北海道~茨城県)の渡りも確認されている。また、コクチョウ、クロエリハクチョウは、動物園等で見ることができる。また、ナキハクチョウも過去に飛来した記録がある。
※以下の白鳥の種類の掲載順は、日本でなじみが深いと思われる順番です。
オオハクチョウ
学名:Cygnus cygnus 和名:大白鳥 英名:Wooper Swan
アイスランド・スカンジナビア半島北部からカムチャツカ半島・サハリンにかけてのユーラシア大陸北部などで繁殖し、冬季になるとイギリスやイタリア北部・スイス・黒海沿岸・カスピ海・中華人民共和国の太平洋岸・大韓民国・日本などで越冬する。茨城県では、最も多く見られる。
オオハクチョウの詳細と見分け方コハクチョウ
学名:Cygnus columbianus 和名:小白鳥 英名:Tundra Swan
ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季になるとヨーロッパ(アイルランド、イギリス南部、オランダ、デンマークなど)、カスピ海周辺、韓国・中国の東部、日本などへ南下し越冬する。
コハクチョウの詳細と見分け方
別途、亜種として嘴(くちばし)が黒いアメリカコハクチョウがいるが、亜種を独立種とする説もある。
※アメリカコハクチョウ
アラスカ州やハドソン湾などで繁殖し、冬季になるとカリフォルニア半島やチェサピーク湾などへ南下し越冬する。まれに、日本へも渡りをすることもある。コブハクチョウ
学名:Cygnus olor 和名:瘤白鳥 英名:Mute Swan
ヨーロッパ、中央アジアを中心に生息する白鳥で渡りも行う。
日本では、1950年代に飼い鳥としてヨーロッパから移入された外来種であるが、一部地域で繁殖・野生化し、通年見ることができる。
コブハクチョウの詳細と見分け方クロエリハクチョウ
学名:Cygnus melancoryphus 和名:黒襟白鳥 英名:Black-necked Swan
南アメリカ南部のパタゴニアやフォークランド諸島の淡水の湖、湿地、干潟に生息する。
頸(くび)が黒い。全長約105センチメートル。赤い鼻瘤(びりゅう)があり、嘴(くちばし)は灰青色、足はピンクである。日本では、狭山市立智光山公園こども動物園や京都市動物園で見ることができる。ナキハクチョウ
学名:Cygnus buccinator 和名:鳴白鳥 英名:Trumpeter swanアメリカ合衆国北西部、カナダ西部の河川、湖沼、湿原、内湾などに生息し、長距離の渡りは行わないとされるが、日本への渡りの記録がある。鳴き声がラッパ(トランペット)のように響くことに由来する。全長150-180センチメートル、翼開張230-260センチメートルで、ハクチョウ属のみならずカモ科最大種である。嘴(くちばし)は大型で長く、黒い。
白鳥の種類数と白鳥名表示について
主な白鳥の飛来条件
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(1)凍結しない安全な湖・沼・池等の寝ぐらがあること
(2)白鳥の餌があること
(3)白鳥の種類による渡りの飛行距離制限内であること
白鳥の種類1:オオハクチョウの特徴
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- (1)オオハクチョウの分布・越冬
- 日本に飛来するオオハクチョウは、シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、越冬のため樺太や千島列島を経由し北海道~東北・関東に飛来します。
- (2)オオハクチョウの主な形態
- ※大きさ・体重ともに鳥類最大級です。雌(メス)は雄(オス)より小さい。
- 成鳥:全長:140~160cm程※
- 成鳥:翼開長:210~240cm程
- 成長体重:8~15kg程
- (3)オオハクチョウの補足事項
-
- 鳴き声:コォーなどと大きく甲高く鳴く
- 飛行の離陸:体重が重いため離陸時に水面助走が必要
- 渡りの飛行の距離:3000km程
- フィンランドの国鳥
オオハクチョウの違い(見分け方)

白鳥の種類2:コハクチョウの特徴
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- (1)分布・越冬
- ユーラシア大陸北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬期にはイギリス南部、オランダ、デンマークなど)、カスピ海周辺から同緯度の日本など温帯へ渡ります。日本では冬鳥で、ロシアのツンドラ地帯から北海道を経由し、本州の宮城県以南から中国地方あたりまで飛来します。ツンドラ地帯からの渡りであるため、オオハクチョウより、越冬飛行距離が長くなります。
- (2)コハクチョウの主な形態
- ※大きさ・体重ともに雌(メス)は雄(オス)より小さい。
- 成鳥:全長:120~140cm程
- 成鳥:翼開長:180~220cm程
- 成長体重:5~11kg程
- (3)コハクチョウの補足事項
-
- 鳴き声:コォーなどと鳴くがオオハクチョウより低い
- 飛行の離陸:体重が重いため離陸時に水面助走が必要
- 渡りの飛行の距離:4000km程
コハクチョウの違い(見分け方)

白鳥の種類3:コブハクチョウの特徴
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- (1)分布・越冬
- コブハクチョウは、もとはヨーロッパや中央アジアを中心にして生息する白鳥で、渡も行います。茨城県のコブハクチョウは、皇居や彦根市・山口市等から譲り受けたものが繁殖したものとされています。霞ヶ浦(潮来市:白鳥の里)等には北海道のウトナイ湖、青森県の小川原湖からの渡りが確認されています。
- (2)コブハクチョウの主な形態
- ※大きさ・体重ともに鳥類最大級です。雌(メス)は雄(オス)より小さい。
- 成鳥:全長:140~160cm程
- 成鳥:翼開長:210~240cm程
- 成長体重:8~15kg程
- (3)コブハクチョウの補足事項
-
- 鳴き声:泣かない
- 飛行の離陸:体重が重いため離陸時に水面助走が必要
- 渡りの飛行の距離:日本における事例では750㎞
- デンマークの国鳥
- 外来種とされており、農業被害や鳥インフルエンザ等の問題がでている。
- (4)コブハクチョウの外国の補足事項
- 英国では、法律上、国王が英国内の開放水域にいる印の付けられていない白鳥(コブハクチョウ)の所有権を保持しています。テムズ川の特定の場所に生息する白鳥は、800年間続いている「スワン・アッピング」という恒例行事で毎年調査され、個体数を管理しています。この管理者のチームをスワンマーカーといいます。 また、イギリスのオックスフォード大学やウィンザー上のあるバッキンガムシャー州の紋章、オーストラリアのスワンユナイテッドFCのマークもコブハクチョウです。
コブハクチョウの違い(見分け方)

白鳥の種類別の茨城県内観察場所
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別ページ:茨城県の白鳥観察・観光スポット25箇所案内